Club Pelican

Stories 9

“On Your Toes”日本公演感想集(東京編)

by ケリー


2004年5月8日(ソワレ)

行ってきましたー!!!OYT!イヤー、普段は、仕方がないことと思いつつも「サラめェ!」などと言っている私ですが、もう・・・・・サラ最高に素晴らしかった!!!!!!!ホントに素晴らしかった!!!爆笑しまくりでした! もちろん役柄的に一番おいしいというかインパクトを与えられる役ではありますが、あんなに壊れちゃっていいのでしょうか!コメディエンヌの才能ありありですね!

「この人、元ロイヤルのプリンシパルなんだよねぇー・・・」と考えると、なんとも不思議というか、その才能の幅広さに、感嘆いたします。ホントに素晴らしかったー!!!!あのロシアなまりも全く爆笑モノでした。

それに、さすが!の美しい動きの一つ一つ・・・ 一体、何万回ポールドブラを繰り返したらあんな美しい腕の動きになるのやら・・・。かつて白鳥を見たときに、アダムの腕の動きの美しさにたまげたのですが、やはりクラシックバレエの最高峰まで行った人の動きというのは、つくづく人間じゃないですね!最初のアラベスクも、やっぱりすごい。軽々とやってくれるなあ・・・。「はー、やっぱ子供のころからやりたかった・・・バレエ。」と、つくづくため息でした!(わたくしケリーは、大人からバレエ初めて1年目です・・・上がらん曲がらん開かん!)

私は、映画でも観劇でも、「楽しまなくてどーする!」という発想なので、客席で一人、バカ受け状態でノリノリで観ていたのですが、(盛り上がりすぎてオペラグラスを弾き飛ばしてしまいました・・・) 偶然なんですけども前の席が同じバレエスタジオの友人だったのです!しかもお母様と・・・。 「後ろの人盛り上がってるなーと思ったら、やっぱりケリーちゃんだし!」とのことで・・・ちょっと気分はスマソ〜という感じでした!


2004年5月16日(マチネ)

16日はオペラグラスを忘れちゃって、「絶対こんなとこで買うよりもっと安く買えるのに〜!」と、内心思いつつも物販コーナーでオペラグラスを買ったら、普段使っているものよりかなり高倍率で、ちょっと揺れが激しくて酔いそうでしたが、アダムの表情がとてもよく見えて・・・惚れ直してしまったのでした!うーん、バカだ・・・。サラの顔も初めてはっきり見えましたです。やっぱ美人!(えーいクソ)

今回2回目を観ることで、初めて同じ舞台を何度も見る醍醐味を味わいました。チャウさんが書いていらっしゃったように、結構変わってますね!8日に見たときより、16日の方が、全体的なコミカルさが増してました。ケツ出しのアダムも、すっげーバカで面白かったです。

でも、モロシンとヴェラのパ・ド・ドゥのお互いいじめまくりのシーンは、8日の方が派手でした。8日は、サラがもう本当に素晴らしかったですが、16日はちょっとお疲れだったのか、私が見慣れたのか、結構、「頑張って声出してます!」見たいな感じがあったように思いました。間の取り方も、8日の方が爆笑モノでしたー。でもやっぱ素晴らしかったですが!!!サラ最高!(悔しいがホントだからなあ〜!!!サイコーッ!)

それと、8日は、「10番街の殺人」のアダムとサラの踊りは、全体的に荒い感じで余り美しくないようーな気がしたんですが・・・。アダムがサラを、ぶんぶん振り回しているように見えたんですが、16日はリラックスした感じで、音にも合っていたし、とてもよかったです。少しテンポが緩やかになったのかな?


2004年5月18日(ソワレ)

いよいよ来てしまった楽日・・・5月16日の昼の公演で、参戦打ち止めの予定が、18日の東京公演楽日のチケットを会場で衝動買いしてしまったのでした。財布はマジヤバでしたが、舞台に向かって右の、一番はしの席群の前から2列目だったのでつい・・・。後半、アダムが一番良く立つ方向ですがな〜!

それまでは週末のチケットしかとってなかったのですが、衝動買いした楽日は、平日の火曜日だったので、大事を取って(?)、会社を休んで見に行きました〜!仕事なんぞに邪魔なんかさせるかー!

今回は、確かに一番はじっこの席群だったのですが、なんと申しましても、前から2列目!!(ここ、72ポイントぐらいの気分) これだけ近いと、出演者の表情がオペラグラスが無くても、しっかり見えましたので、も〜・・・めちゃくちゃ楽しめました!!舞台はやっぱり近くで見なきゃ意味無いなあ・・と思った次第です!

前から2列目ですと、舞台の方が高くて、出演者を少し見上げる感じになるせいか、自分も、OYTの世界に入り込んだような不思議な感覚になってしまって、教室のシーンなんかでも、シドニーの音楽が採用されてみんなが喜ぶだとか、そういうところは、「良かったねえー!」てナ感じで、つい一緒になって拍手してしまいました!(私だけですが・・・ううう)

しかし、それだけ近くで見たからこそ、やっとわかったことも結構あって、舞台の演出の難しさというか、会場の広さの意味とか、つい考えてしまいました。一番初めに観た時、ゼノビアの王女のなかで、サラとイヴァンのパドドゥのところでしたか、舞台の奥に一人の家来が出てきて、また引っ込むところがありましたが、1回目観たときは、あれは間違えて出てきたんだと思ってたんです。

2回目観た時も出てきたので、間違いではなかったのかと気づきましたが、何しに来たのやらさっぱりでした。3回目、接近状態で観た時に、彼の振りや表情がわかり、どうやら二人の仲に気づき父王に報告するのか、なんだかとにかく伏線というか、重要な意味がある登場だったらしいことがやっとわかった次第です。

また、最後の「10番街の殺人」でアダムが狙われるところですが、ずっと殺し屋がやっているのかと思ってたら、イヴァンが銃を構えていたのでびっくり。「あれ〜てめえで殺すってことになってたんだっけ?!?!」と、ちょっと「???」でした。楽日を狙って観に来ていたバレエ仲間の友人は、2階席だったのですが、殺し屋の存在は全然見えず、あの時何が起こっているのか本当にさっぱりだったそうです。

以前、ファンでもなんでもないのですが誘われて、ラルクアンシエル(だったかな・・・)の10万人コンサートに行きましたが、ステージ自体が米粒のよう、出演者は顕微鏡もってこい!という有様でした。各ブロックにデカいモニターーがあって中継されていたのですが、それだけ離れているので、映像と音がずれる!これだったらテレビのほうがずっとマシじゃん!と、盛り上がっている人たちを見ながら、何でこれで楽しめるのか、会場がいっぱいになるのか、本当に理解できなかったのを思い出しました・・・。

さて、もう3回目だと、音楽もみんな覚えてしまったので、体がつい動いてしまって、一人メロディを口ずさみつつ、踊り(揺れ?)ながら観劇しておりました。ホントはロックコンサートのアリーナみたいなノリで、踊りながら見たいのにぃー!という感じで、お尻がむずむずしっぱなし! ダンサー達が本当に楽しそうに踊っている表情も、はっきり見えたので、いやーホントに盛り上がりましたー!

しかし日本の観客はなーんて音楽に対するノリが悪いんだ!みんな踊ろうぜー!結局昨日CDを買ってしまい、もうずっとアタマの中で流れっぱなしです。今は、It's Got to be Loveがながれております!

また、東京公演の楽日だったので何かあるかなあと思いましたが、結局カーテンコールもいつもと同じ回数で終わって、結構「えーっ」声が出てました。みんな総立ちのスタンディングオベーション状態でしつこく拍手し続けて、オーケストラピットの中でも、もしかしたら出てくるかもしれないからだと思うのですが、男性が首を伸ばして舞台袖をずっと見て様子をうかがっていたのですが、結局幕が降りてしまって・・・。ケチ!

ただ、(私を含め)ほとんどはアダムをアイドルみたいにして、観に来ている人ばかりなので、それがわかっているからなのかなあなんて思ったり・・・。

観客も8割女性ですもんねー・・・。幕間トイレ待ちとか、公演後のスタバで、他の人の会話を聞いてると、どのダンサーがイケメンだったかとか、そんなことばっかりが耳に入ってきて、「おまえら何しに来たんじゃワレ〜!」みたいな人も多く・・・。

それに日本でのスタンディングオベーションってあまり意味無いですもんねー。相手の気持ちを汲む文化ですから、自分が舞台を観て楽しかったかどうかよりも、出演者が喜ぶと知ってれば、それをしようとするお国柄じゃないですか。文化の違いって微妙だわと思ったり・・・。

さて、面白い発見がありましたので、ご報告!2階で見ていたバレエスタジオの友人と終了後落ち合って、駅近くの○○屋でご飯食べたのですが、そこのBGMが、フランキーのあの悲しい片思いの歌「Glad to be Unhappy」(だっけ)でした!!!ちょうどチャウさんの日記で、「五反田はOn Your Toesで町おこしでもしてるのか」というのを読んでいたので、 「ほんとにしとる!」と思った次第です・・・。

それと、物販コーナーでトートバッグが売り切れてたのに、びっくり・・・。何にどう使うんだ、みなさん・・・。Tシャツはレッスン用に、ゲンかつぎ代わりに買おうかなあ・・・とかなーり未練が ありましたが、何とか思いとどまり、やめました〜。(でもちょっと後悔) ホントはバレエシューズなどに、サインなどしてもらいたかったのですが!

バレエ仲間に、なななんと、マラーホフのサインをシューズにもらった人がいたのです!マラーホフ出演のバレエが終わってロビーにいたら、ご本人が出てきて、喜んでサインに応じてくれたんだとか。マラーホフって気さくなんだなあ・・・スタジオでみんなで拝んでおりました。それがうらやましくて、「デ、デ、デ、デ待ちしてみますか・・・?」と思ってはみたのですが、カーテンコールのあっさりさ加減を見て、あっさりあきらめました・・・。(弱気。) っていうか、もしホントにシューズにもらってたら、履けないっ!きっと・・・。


付記
〜 心ならずもサラ賛歌 〜

もちろん、私もアダムファンの端くれ、「サラ」と聞いて「この果報モン〜うらやましくて悔しいぞ!」と思うのでありますが、それとは別に、今回の公演でやはりサラが最高だったと思います。(ま、キャラ的においしいというのもあるが)

しかし、しかし!一緒に観たバレエマニアの友人の辛辣な一言!「あの太り方はミュージカルだったら許すけどバレエだと許せないなあ」、「ロイヤルにいたときに比べてすごく太った。幸せブトリかな。」 ・・・なんと!きびちい・・・。確かに、私はロイヤル時代の彼女を知らず、今回初めてサラを見たので、まあ、「子ぶたちゃんのようでかわいかった」と思ったのですが・・・。(誤解しないで下さい!豚のように太っているという意味じゃなく、太ももから足首までの太さの変化が大きい形、という意味です)

バレリーナの体型や技術と、踊りや作品の芸術性についての関連などは、昔から激しく論じられているようですが、私としては、サラの踊りは本当に美しかったし、もし太ったのだとしても、逆に加重してあれだけの踊りができるということが、さすが元ロイヤルのプリンシパル!ものすごい!と思わざるをえません。

サラの踊りは全然ぶれもぐらつきもしなかったし、素晴らしい完成度でした。あのコールドで登場した若手のバレリーナたちと比べても、本当に月とすっぽんです。(みんなスマン) なんといいますか、アダムの踊りを白鳥のDVDでみたときも思ったのですが、どこにも隙がないって言うのでしょうか。ドコモかしこも指先までピッとしていて、見ているこちらが、「あ、あぶない!」とか、「お、今ちょっと怪しかった!」とかみたいに、へんにはらはらしたりするようなことが一切ないんですよね。もう堂々たる踊りっぷりでした。かっこよかったです。

また、バレエは自分でやってみると、本当にいろいろわかるのですが、バレエをやっても、全く痩せないのです!みなさん!(当てが大外れ) 体重なんて筋肉がついてくれば返って増えるぐらいなのです!レッスン仲間で細い子達は、みんなレッスンとは別に、ダイエットして痩せたというのがほとんどです。

しかし、プロのダンサーになればかなりしっかり食べないと、体が持たない!でも、妖精のような体型を求められるとしたら、ホントにハンパじゃない努力と管理が必要になると思うのです。人種的な有利不利もある。

諸事情あってロイヤルを離れたサラですが、今や、ダンサーだけでなく女優として活動の場を広げ、確かな評価を勝ち得ている彼女に対して、ちょろろっと太ったことがそんなにフォーカスされるというのは、ちょっと理不尽な気もするのです。しかもバレエだって超踊れるというのに〜。私なんてポアントを履いてバランスが取れるだけで信じられないのですが!(卑近過ぎたか・・・でもホントやってみると、バレリーナたちはどれだけ人間じゃないことをやっているかわかります、ってマジで・・・やっぱ卑近か)

まあきっと、それだけロイヤルのプリンシパルとしての評価が高かったってことかな!ってことで、サラはさらっと聞き流しておけばいいのよ!(さぶ〜)と思うのでありました。


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