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Stories

「ガイズ・アンド・ドールズ」
("Guys and Dolls")

(2006年6月1日、2日ソワレ、3日マチネ、ピカデリー・シアター、ロンドン)

by Sue


思い切って私も先週観てきました、"Guys & Dolls"。ミュージカルでアダムを観るのは"On Your Toes"以来だったのですが、その時より数段よかったです、歌! 楽しい舞台のはずがなんか感無量に・・・。ダンスシーンがもっとあるとよかったですよね。それほどのワルに見えないスカイがとてもアダムらしくてステキでした。新ネイサンはパトリック・スウェイジですかー。そっちでも観たかったかも(笑)。ガンバッテね、アダム(身長では勝ってるはず)!

私が観た日は全日ナイスリーがMartyn EllisではなくDominic Watsonでした。評判のMartynの歌が聞けなくてちょっと残念でしたが、Dominicのほっそりナイスリーも上手でした。昨年東京で観た「ハイランド・フリング」に出ていたマット・フリント(Matt Flint、「ハイランド・フリング」日本公演では、アンガス、ユアン、シルフィード役で出演)も思いがけなく観られて嬉しかったです(ギャンブラーの一人、Society Max役で出演)。

マーティン・エリスは、パンフレットに入っていたスリップによると「体調不良」とのことでしたが、マチネを観た日の終演後楽屋口で、キャストがファンの皆さんと話しているのをもれ聞いたところでは、休暇中らしかったです!長い舞台中のこと、契約で休暇などについても細かく決められているのでしょうか。主役となると話は多少違ってくるのでしょうが、時にはアンダースタディーが出演する日もあることを考えると、私が観た日は3日間とも全員主役が正キャストでラッキーでした(行ったらアダムは休演なんてことにならなくて本当によかったです)。

ショーはとても楽しくて、アダムはどこから見てもステキなミュージカル・スターで、他の主役陣とも立派にわたり合っていてなんだか胸がいっぱいになりました。サリー・アン・トリプレット(Sally Ann Triplett、アデレイド役)は上手でしたね。ナンバーでは(残念ながらアダムはいなかったけど)、"Sit Down You're Rockin' the Boat"が圧巻でした。

3日のマチネが私には最後のG&Dだったので、終演後思い切って楽屋口に行ってみました。最初場所を勘違いしていて違うところで待っていたら、キャストの一人がこちらに向かって歩いてきました。傍で待っていたイギリス人の二人連れが、そのキャストに「楽屋口はここじゃないの?」と声をかけたところ、「あっちだよ」と親切にも教えてくれ、私も一緒に移動しました。

行ったらちょうどケリー・プライス(Kelly Price、サラ・ブラウン役)とサリー・アン・トリプレットが出てきたところでしたが、アダムはもう出ていってしまった後のようでした(早過ぎるっ!)。その日は夜ロイヤル・バレエを観る予定でしたが、時間はまだあるし、ソワレまでにはアダムも戻ってくるワケだからとしばらく待ってみることにしました。イギリス人の女の子数人も、私と同じように考えたのか待つことにしたようでした。

ほどなくマット・フリントが出てきました。そこで彼に、昨夏東京で「ハイランド・フリング」を観ました、と声をかけたら、とても気さくに話をしてくれました。

「もしかしてアダムを待ってるの?」と聞かれたので、そうなんだけどと正直に答えると、「きっともうすぐ戻ってくるよ」と慰められました(笑)。なんていいヒトなんだ、マット!そのあとも同じようにキーシャ・アトウェル(Keisha Atwell、マーサ、ウェイトレス役)から「もうすぐ帰ってくるわよ、きっと」と声をかけられました。彼女もとっても可愛くて優しかった!

私のようにこうしてアダムを待っている、日本から来たファンが時々いるんだろうな、と思いながら時計を見るとすでに6時45分。土曜日だったので、ロイヤルバレエの開演は通常より30分早い7時からでした。今からダッシュで行けばまだ間に合う、と思いながらも、せっかくここまで待ったのだからと迷っていると、白いトップ、白いパンツにミラーグラスをかけたアダムが、コーヒーを片手にサラと連れ立って戻ってきました。

バリバリにスター然としているアダム、サラまで隣にいてとても躊躇したのですが、せっかくここまで待ったのだから、と思い切ってサインをお願いしました。快く応じてくれましたが、私は思っていることを一言も言えず・・・。サンキューがせいいっぱいでした。「また日本のファンが待ってる」みたいなことを二人に思われたのではないかとか、なんとなく二人とも迷惑そうだったんじゃないかとか、ドアの向こうに消えていく二人を見送りつつ、目的は達成したものの、なんだかとても落ち込んでしまいました。

落ち込みつつも気を取り直してとりあえずコベント・ガーデンに走り、7時ちょうどに劇場に着きましたが、序幕はロビーのスクリーンで見るハメに。カラボスとリラの精のシーンを見逃したのは残念でしたが、もともと席はアッパー・スリップスだったので、スクリーンで見た方が全容が見えてよかったかもしれません。オーロラ姫はマリアネラ・ヌニェイス、王子はティアゴ・ソアレス。今シーズン最後の「眠れる森の美女」でした。

先ほどのサインの一件を思い出しては時折ボーッとしてしまったりしたのですが(はじめてのオペラハウスだったのに・・・)、オーロラ姫は可憐で可愛らしく、バランスなどの見せ場もしっかり押さえていてとてもよかったです。王子はどちらかというと別のキャストで見たかった気もしますが、場内は盛大な拍手で沸いていました。

場内といえば、カーテンコール時にカメラのフラッシュがあちこちで光ったのですが、これってありなのでしょうか。それとも観光客のルール違反?とにかくパシャパシャすごくて気になりました。(チャウ注:ロイヤル・オペラ・ハウス側は禁止していますが、カーテン・コールの撮影だけは、事実上の黙認状態になってしまっているようですね。)

上記の他には「メアリー・ポピンズ」とジェレミー・アイアンズ主演のストレート・プレイ"Embers"を1本観ました。たったの4泊でしたが、季節もよく、お世話になった友人にも久しぶりに会えたりして、いい滞在になりました。でも地下鉄のシングル・フェアが3ポンドにはビックリ。前回行ったのは3年近く前でしたが、ますます物価高ですよね、ロンドン!


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