Club Pelican

Diary 8

2004年4月29日

“On Your Toes”夜公演を観に行った。観客はやはり女性が圧倒的に多かった。もちろん男性客もいたが、面白いことに若い人が目立った。それから欧米人の観客も割といた。観客のほとんどはクーパー目当てで来たのだろう。開演前、休憩時間中、終演後や帰り道に聞こえてきた話によると、去年のAMP「白鳥の湖」でクーパーに興味を持った、という人が多かったようである。またミュージカル・ファンの人も多数いて、いろいろなミュージカルと比較しながら話し合っていたのが面白かった。

当日券も出ていたが、S席、A席ともに販売しており、たとえばまだ残っている安い席を売らずに高い席だけを売りつける、というようなセコい真似はしていなかった。会場はほぼ満席で、まず今のところは盛況である、といってもいいだろう。

1階席1〜12列目の左右両端、1〜9、46〜54番席は最初から販売されなかったようだ。このへんに座ってしまうと、舞台の左右が切れて見えないからだろう。また、最前列中央の数席も空席だった。ロンドン公演でもそうだった。指揮者の頭と振り上げる手が視界をさえぎるためである。これは、チケットを販売する前に、イギリスと日本の興行サイドが打ち合わせて、客席からの舞台の見え方を検討していた、ということを示していると思う。だとしたら、とても良心的な姿勢である。少し感心した。

舞台のセットは新しいものになっていた。まずあのベニヤ板みたいな安っぽい材質の藍色の壁が消え、同じような藍色系のマルや四角の図形が浮かぶ、ポップ・アートみたいな図柄の壁が奥に一枚あるだけであった(床も同じ図柄であった)。客席の温度が下がる「バッハ」「ベートーベン」「ブラームス」看板と、ヴェラの部屋にあった銭湯の壁画みたいな靴棚の絵もなくなった。ヴェラの部屋のシーンでは、ウィルドー演ずるヴェラの横顔のアップ写真がいきなり出てきて、それが回転すると裏側がヴェラのベッド、というしくみになっていた。前よりは凝ったセットである。“Slaughter On Tenth Avenue”のセットに変更はなく、他に大がかりなセットはなかった。セットは一点豪華主義に方向転換したようで、後はライティングをさまざまに駆使して効果を出していた。

それから衣装も新調されていた。特にヴェラのガウン、レッスン着、ドレスは、色合いは同じだが、デザインにも変更があって更にゴージャスなものになっている。また劇中バレエ“La Princesse Zenobia”の衣装がえらく豪華になっていた。ロンドン公演よりはるかに良い材質を使っているようだ。

演出にも変更が多々あった。登場する方向、立ち位置など。それからどうもセリフが多くなっている気がする。特に説明的なセリフが多く付け足されたように思う。そのせいか、出演者はロンドン公演よりも早口でセリフをしゃべっている。それと、音楽のテンポが全体的に速くなり、小節や間奏曲の省略・削除が行われている。おかげでストーリー展開のリズムがよくなり、中だるみがなくなったとは思うが、“La Princesse Zenobia”で、ジュニアがロープにブラ下がって現れるシーンが、たったの1回で終わってしまったのは物足りない(ちなみにクーパー君、今日は濃いえんじ色か紺色のサポーターをお召しになっていた)。それに私が好きな間奏曲がなくなっていた。これもちょっと残念だった。

肝心の振付も全体的に変更されている。すばらしく改善されたと思う。ロンドン公演でみられたやっつけ仕事みたいな印象を抱かせる粗さ、他作品からのコピペを思わせる動き、パッチワーク的なリンクは姿を消し、とても自然で洗練された振付になった。“On Your Toes”もよかったが(衣装や演出はともかく)、特に最後の“Slaughter On Tenth Avenue”は、非常にすばらしい出来に仕上がっていた。

ロンドン公演版とはキャスト、セット、脚本、演出、振付がかなり違っていること、また外国での公演2日目ということもあってか、出演者たちの演技、歌、踊りは、やはり十全とはいえなかったと思う。そんな中で、ヴェラ役のサラ・ウィルドー(Sarah Wildor)と、フランキー役のアンナ・ジェーン・ケイシー(Anna-Jane Casey)はとても魅力的だった。ウィルドーの演技には会場が大いに盛り上がったし、ケイシーの歌声はとても美しかった。

アダム・クーパーも、踊りは徐々によくなっていって、“Slaughter On Tenth Avenue”では、いつもどおりの鋭いキレのある動きを取り戻した。でも、歌は今日は最後まで不安定だった。これはたぶん体調の問題だろう。コンスタンティン役のイヴァン・カヴァラッリ(Ivan Cavallari)は、踊りがとてもしなやかで、とりわけパートナリングが見事であった。演技については、もっと大仰に、アクを強くしてもいいと思う。

また難クセをつけるようで申し訳ないが、タップの音が鈍くてよく聞こえない。またタップの音が舞台から聞こえた後、更に時間差で会場中におかしな具合に反響する。床の材質の問題だろうし、こればかりは仕方ないことは分かっているけど、すごくもったいない。だけど次のことは改善できるんではないか。スピーカーの音をもう少し大きくすることである。生オケに阻まれてしまって、歌やセリフがよく聞こえない時があった。それから・・・・・・文句ばかりでごめんなさい。オーケストラのみなさま、特に金管楽器の方々、どうか音はハズさないで下さい。お願いします。

“On Your Toes”日本公演版は、たとえるならば、まだ卵から生まれたばかりの雛みたいな段階にあると思う。これから1ヶ月間でどう化けて・・・いや成長していくかが楽しみだ。同じプロダクションでも、去年の夏よりセットや演出や振付が格段に進歩している。作品をより発展させていくって、こういうことなんだな〜、と思う。どうか大事に育てていってほしい。


2004年4月22日

イープラスのサイトで、先週TBSが3夜連続で放映していた“Boot!”「アダム・クーパー公演直前インタビュー」が公開されている。ほぼ番組そのまんま。あ、最後のピンク色のテロップ「愛を込めて(ハートマーク)アダム・クーパー」は省略されている。あれは面白かったのに。でも肝心のインタビュー部分はカットなしです。観られなかった方はぜひ観てね!最初からこうしてくれればよかったのに。そしたら一気に全国の人が観られて宣伝効果も(たぶん)大きかったと思うぞ。でも、ありがとうございます。


2004年4月18日

4月15日の夜、例の大きなニュースが報じられた。最初にニュース速報が出て、その直後にNHK、いくつかの民放は通常の番組を中断し、特番であの結末を報じた。私はたまたま日テレを観ていた。観ながら、今夜のテレビはこれで大騒ぎになるだろうから、今日のクーパー君「大いに語る」は、放送がたぶん遅れるな、何時に放送されるか分からなくなったな、と困った。(オマエはナニを考えとるか、と感じられた方のために言い訳しておくと、私にとっての「時事問題」または「重大ニュース」とは、新聞やテレビで大きく扱われている出来事ではなく、あくまで私自身が、こりゃ大変だ、と感じた出来事なんですう。)

火中の栗を拾うつもりはないからなるべく曖昧に言うけど、今回の事件、小泉首相があの3人の家族との面会を拒否した、とニュースで報じられていたのをみてから、ちょっと奇妙に感じていた。ひょっとしたら、今回の事件はすでにそのテの運動に組み込まれてしまっているのかと思ったが、先週の「週刊新潮」の中吊り広告を見て、実際にそういう噂が一部に出回っているらしいことが分かった。

特番のニュースをしばらく観ていたけれど、番組の遅れはいちばん短かった局では20分以内、長かった局でも30分ほどにとどまった。おかげでタイマー録画の時間設定の目安がついたのはありがたかったが、同時に、3人が解放されるまでの1週間、あんなにも大騒ぎしていたテレビが、もっとも劇的といえるあの結末については、妙にあっさりとした報道で終わってしまったのが意外だった。

以来、今日も含めてこの数日間、依然としてトップ・ニュースの扱いではあるけれど、明らかに解放前ほどの騒ぎではなくなっている。これはやっぱり、少数の見方なのか多数の見方なのかは判然としないが、例の噂、3人の安否が不明だった頃の家族の言動、解放された直後の3人自身の言動などに対して巻き起こっている反響に配慮したためだろうと思った。その方がいいと思う。そっとしておいた方がいい。なんびとであっても、今回の事件を、自らの政治的な主張を正当化するための、そして他人の見方を誘導するための、まして政治的な権力や勢力を拡大するためのネタとして利用してはならない。

さて、タイマー録画したテープを再生してみると、「略奪愛・アブない女」はやっぱり終わってしまって、新しいドラマが始まっていた。病院を舞台にしたドラマで、長瀬智也が主演らしい。実はなにげに好きだったのだった。長瀬。背が高くてスラリとした美青年風だけど、実はスネ毛が濃くてガニ股でガサツそうなところが男っぽくて。

このドラマは「ハンドク」といい、長瀬の役は茶パツで態度がデカくて若者コトバを使いまくる不良の新人研修医らしい。同じ新人研修医である金持ちの坊ちゃま風医師をトイレの個室に連れ込み、坊ちゃまご自慢の新型ケータイを取り上げてイジメる。長瀬、Gucciのストラップを見て「何ていうのこれ?“グッシ”?グッシって書いてあんじゃねえかよ。高えのこれ?」とインネンをつけた挙句、そのケータイを水洗トイレにワザと落として流してしまう。

「グッシ」には笑ったが、長瀬の役は反町隆史の「GTO」の鬼塚か、木村拓也が演じがちなドラマのキャラクターの延長線にある感じで、あんまり新鮮味がないように思える。次はいかにもデキる風なエリート医師っぽい人が、ゴージャスな自室でレントゲン写真を見ながら「○○か・・・」(←聴き取り不能)と冷静な表情でつぶやく。びょおおおーん、というショッキングな効果音。電話を取って「研修医をオペ室へ」と言ったところで、いきなり"Boot!"が始まる。いつもドラマの途中でとつぜん始まるんだよねえ。しかもいいところでさー。

出だしは1回目と同じだったが、簡単にまとめると、イギリスの奥地レスターに謎の未確認生物、アダム・クーパーが棲息するとの情報を得た我々は、数々の危険を冒しながらも、ついにその姿をとらえたのである!!白いテロップ「アダム・クーパーが語るクラシックバレエについて」 クーパー君は前回と同じく、襟口と肩のところがグレーになっている、紺色の丸首Tシャツ姿。

黄緑色の字幕。クーパー「クラシックバレエは私がトレーニングしてきたものだし、長年の私のキャリアです。(群舞の練習風景が映る)クラシカルバレエのそばにいながら、一方でなるだけクラシカルバレエから離れようとしてきたけど、(男性の群舞にムーブメントをデモンストレーションするクーパー君の映像。片手で頭を抱え、身をかがめて伸ばしながら、片脚を軽く後ろに上げてゆっくりと一回転する。これがいかにもクーパー君らしいキレイな動きで、お尻から大腿、ふくらはぎにかけてのラインが実に美しいのよ〜!!うっ、こんな一瞬の映像ごときで、不覚にもまたモえちゃったわ。ああ、まくりあげた袖口からのぞく腕もステキ。それにゴツイ腕時計をしているっちゅーのがまた。←すずちゃんみたいに破壊しかかってます。)『オン・ユア・トウズ』ではバレエを楽しみ、タップを楽しみ、チャレンジングな仕事をしています。」

続いて「("Slaughter On Tenth Avenue"で、階段を下りてくる男にウェイトレスが近寄り、タバコに火をつけるシーンのリハーサル風景。クーパー君がウェイトレス役の女性ダンサーに動作を交えて説明している。)クラシックバレエに興味がないんじゃなくて、それは、挑戦なんです。("On Your Toes"冒頭のシーン、"Slaughter On Tenth Avenue"で、ウェイトレスにビンタされた警官が、別の警官に支えられるシーンのリハーサル風景が映る。ロンドン公演では、支える警官役をシドニー・コーン役のダンサーが担当していた。とすると、この金髪のダンサーがマシュー・ハートか?なんかすごいハンサムそうな感じ。)振付家として、クラシカルスタイルのステップは良く知っているとしても、両方やることが、僕のチャレンジなんです。」

ナレーション「今、話題の『オン・ユア・トウズ』〜!残席わずか!(←どーやらこの日の朝にまた追加分チケットが出された模様。個人的には、チケットをあまりに小出しにしすぎるといろんな面でリスクが大きいと思う。“売れどき”をハズしてしまう危険、よくない席が当たることを恐れての買い控えを増進する危険など。)今スグ専用ダイヤルまで、1、2、3でかけちゃってね!さて、みなさんとは劇場でお会いしましょう〜!」 最後までハイテンションな男のナレーターであった。

手術シーン。さっきのいかにもデキル風医師が心臓手術をしている。心臓外科医。医師業界のカーストではたぶんバラモン。パリ・オペラ座バレエ団でいえばエトワール。ロイヤル・バレエでいえばプリンシパル。すごい速さで心臓を摘出したが(後で戻すらしい)、デキル君、心臓をしばらく見つめて「今日は10分置いてみようか」と言う。ストーカー女の次はマッド・サイエンティストか。患者の状態が悪くなってきて、他の医者や看護師たちが不安な表情になる。そしたらデキル君、ぬるぬるした薬を心臓全体に塗る。と、心臓が赤くなってピクピクと動き出す。(←このへんは特殊効果を使用)デキル君「これは私がソルトレイクで開発した薬で・・・」ここで観るのやめる。

ついで。今回の事件について、職場の日本人はほとんどが口をつぐんでいる。話をふっても「そうですねえ」くらいしか言わない。そこで、某国人たちに感想を求めてみた。そしたら、「日本人は真面目すぎるよ。日本人にとって危険な国に行くのに、どうして正直に日本のパスポートなんか持っていくの。それで日本人だってバレちゃったんでしょ。別の国のパスポートも用意していけばよかったんだよ。日本でも手に入るよ。もちろんヤミだけど」とか、「お兄さんの方がハンサムね」とか、「この人は女なのに、どうして男の子みたいなこんな短い髪型をしてるの」とか、ぜんぜん真面目な討論にならなかったのであった。


2004年4月16日

「略奪愛・アブない女」最終回の副題は「最後に勝つのは私」であった。(←どぱーっ)姉(稲森いずみ)は幼い娘と、ついでに妹のすず(鈴木紗理奈)によって犬小屋一面に五寸釘を打ち込まれた犬を連れて、父親(小林稔侍)のいる実家に戻っている。姉は父に母親に会わせてほしい、と頼む。姉妹の父母は離婚しているようだ。だが父親は「ダメだ!」の一点張り。

そこへ妹から電話がかかってくる。妹は姉夫婦宅に居座っているようで、どーやら前回の「姉さん消えてよ!」作戦は成功したらしい。しかし妹は思いつめた表情で、姉に話があるから家に来るよう誘う。電話を切った妹の手には洗濯物を干すヒモが握られている。ここでどーん、という不安感をあおる効果音。妹は二階へ上がっていく。

姉が妹の家(本来は自分の家)を訪れる。一階には誰もいない。姉は妹の名前を呼びながら二階へ上がっていく。姉が二階の部屋のドアを開ける。その向かいの部屋のドアのスキマから、洗濯ヒモを握りしめている妹が険悪な表情で姉の背中を睨みつけている。ここでまたどーん、という不安感をあおる効果音。

姉が夫婦の寝室のドアを開ける。すると羽毛が部屋中にひらひらと舞っている。ここでまたまたどーん、という不安感をあおる効果音。淡いピンク色の羽毛ブトンがメッタ切りにされている。姉は「あたしのフトン・・・」と言いながら呆然と座り込む。ここで画面はスローモーションになる。後ろのクローゼットの扉が開き、中から妹が洗濯ヒモをかざしながら出てきて、姉の背後からその首に洗濯ヒモを巻きつけ締め上げる。

ぐわわわわ〜ん、という効果音が流れ、姉もハンドバッグで妹を殴りつけ必死に応戦する。効果音に「あ〜ああ〜」という混声合唱が加わり、いっそう不安感を高める。バッグの衝撃で後ろに倒れこんだ妹は、今度はクローゼットの中から姉の夫(赤井秀和)のネクタイを一本取り出し、再び姉の首を絞める。

妹「死んで!死んで!姉さんが死ねば、兄貴はアタシのものになるのよ。兄貴のネクタイで死なせてあげる。嬉しいでしょ?(←嬉しかねえよ)大好きな姉さんだからそうしてあげる〜!兄貴のことはもう心配しなくていいから。アタシが必ず幸せにしてあげる〜!」 そろそろ偶然に帰宅した夫が止めるんだろな、と思ったら、やっぱり「何をするんだ!やめろ!」と赤井秀和が飛び込んできた。

この夫の職業は医者のはずなのだが、「しっかりしろ!目を覚ませ!」と叫びながら、首を絞められて意識を失った妻の体を起こして頬をバシバシと叩き、体をブンブンと揺すっている。窒息状態にある人間の救命処置はこれでいいのだろうか。

姉は意識を取り戻す。妹は床に座り込んだまま膝を抱え、うつろな視線で右手の親指をちゅばちゅばとしゃぶり始める。場面は切り替わって病院。夫の後輩の医師(袴田吉彦)が精神科の診察室に駆けつける。ところで、クーパー君「大いに語る」はまだか〜。

室内には放心状態のままの妹と、姉の夫がいる。後輩の医師に夫はイキナリ「マツオカ、催眠術を始めてくれ」と言う。マツオカ「だけどこんな状態じゃ危険ですよ。こんな状態でショックを与えたら、流産してしまいますよ。」 えっ!?妻の妹と浮気して、子どもまでデキちゃってたの?夫「しかしこのまま放っておいたら、すずちゃん自身の命が危ないんだ。今は母体が危険なんだ。すずちゃんはリツコの首を絞めかかった。人格が破壊しかかってる。」 いや、すでに破壊しきってると思うんだけど・・・。

場面はまた切り替わる。でもどーみてもイギリスじゃない。日本だ。道端に止まったタクシーから、姉が父親とともに降りてくる。姉妹の母親に会いに来たようだ。母親(余貴美子)はお水っぽい女性。父親「何が何でも、すずが5歳のときにおまえと何があったのか聞かせてもらうぞ。いったいおまえ、5歳のすずに何をしたんだ?」 ほう、すずちゃんの異常は5歳のときの出来事が原因なのね。母親「うるさいわねえ!アタシは何も知らないって言ってるでしょうが!」 父親、逆上する。「何だと!?すずはおまえの子だろ!もう我慢ならねえ、言え、言えよコノヤロー!」 父、前妻に殴りかかる。離婚理由は家庭内暴力か。ところで、すずちゃん5歳のときの出来事って何?どきどき。

と、いいところで“Boot!”が始まってしまった。じゃない、ようやく始まってくれた。前回と同じ超ハイテンションな男のナレーション「アダム・クーパー来日直前!インタビュー第2弾、今夜はアダムが歌について熱〜く語ります!演出家のポール・ケリソンも登〜場〜です!」 画面にデカデカと「アダムに逢いたい!」と赤い字のテロップ。「ロンドンから2時間の、レスターの劇場で、日本向けのリハーサルが行われていた!」 藤岡弘の探検番組じゃないんだから。アダムは謎の未確認生物か。群舞のリハーサル場面。前回と同じもの。「それではお待たせいたしました。アダム・クーパーさんです!」 おお、今日は「さん」づけだ。

白いテロップ「アダム・クーパーが語る『歌』と『演技』について」 前回と同じ紺色のTシャツ姿のクーパー君。同じ日に撮影したんだろう。黄緑色の字幕。「歌うことは大好きです、小さい頃から歌っていました。父が歌手だったせいもあり、自分も聖歌隊にいましたし。プロフェッショナルな経験は少ないのですが。」 ムートンのジャケットを着て、何かを指さしてスタッフと相談しているクーパー君の映像。出演者たちが舞台上に立って一斉に歌っている。キーボードを弾きながら歌唱指導をするハゲのオヤジが映る。ピンク色のテロップ「音楽監督ジュリアン・ケリーのもと入念な歌のリハーサル!!」 ああ、指揮してた人ね。でも“!!”つけるほどのコトでもねーだろ。

再びクーパー君「歌うことは自分の一部分でもあるんです。とても自然にね。ステージでも、できる限り頑張っていますよ。」 ポール・ケリソン(客席に座りながら)「アダム・クーパーはとても有名なバレエダンサーです。今までは歌もタップも知られていないが、彼はセクシーな男性だし、声もすばらしい。(ここで前回と同じ、クーパーがリハーサルでソロを踊っている姿。ナゼ最後がスロー・モーションになっているのか。)自然で魅力的な役者なんです。今回は今まで以上に練習もしているので、さらに日本公演の新しいバージョンはすばらしいものになると思います。そしてアダムの違った面も見れると思います。」 ここで頭を大きく上下させ、はじけるように明るく笑うクーパー君の姿。うっ、か、かわいい・・・これは久しぶりにモえる映像だわ〜。

最後はこのまえとおんなじ。カメラ目線のクーパー君が「日本の皆様と、この『オン・ユア・トウズ』の公演でお会いできることをとてもとても楽しみにしています。」 そしてピンク色のテロップがする〜と出てきて「愛を込めて(ハートマーク)アダム・クーパー」

ナレーション「さて、セット、キャスト、台本を日本用に直して、新たな装いで登場する『オン・ユア・トウズ』!明日のこの時間は、アダム・クーパー緊急インタビュー、な、なんと第3弾!」 今回の「大いに語る」も全2分ナリ。

鈴木紗理奈がペンダントのようなものを左手に持っている。袴田吉彦がそれを揺らしながら「おーきく揺れてきます。どんどんどんどんおーきく揺れてきます。すずちゃんは5歳ですよー。こわくないよー。話してごらん。」 紗理奈、泣き出す。「ママ、ママ、こわいよお。」 催眠術ってこんな簡単にかかるもんなの?袴田「どうしてこわいんだい〜?」 紗理奈「パパとケンカしてる。」

場面は変わって母親の部屋。姉「お母さんお願い、5歳のときにすずに何があったのか話して!すずはそのせいで心の病気になってるの。命に関わる病気なの。」 確かに、他人の命に関わる病気だわ。 父「すずはおまえの娘なんだぞ。頼む、ユカコ、すずを助けてやってくれ、頼む。」

さあ、何があったの?どきどきどきどき。母「・・・すずにひどいこと言ったのよ。とりかえしのつかないこと言ったのよ。おまえは、おまえが大好きなお父さんの子じゃない、名も知らない、ゆきずりの男の子どもだって、そう言ったのよ!」 病院。すず「ママ、すずはパパの子じゃないの?」 母親の部屋。母「そうよ、だからあんたはね、大きくなったら男で苦労するんだよ、うんとうんと苦労するんだ、ロクな男と出会いやしないし、ロクな結婚だってできやしない、男と幸せになるなんて絶対にありっこないからねって、そう言ったのよ!」 病院。すず「やめて、ママー、すず、パパ大好き、なのにどうしてパパじゃないの?」 すずはまた膝を抱えて親指をちゅぱちゅぱとしゃぶり始める。母親の部屋。母、父に対して「あんたへのあてつけだったのよ!あのときのあたしは、あんたが憎くて」と言ったところで録画が切れた。

えええ〜、気になる〜!結末はどうなったの?全部録画すればよかったな〜。すずちゃんはこの後どうなっちゃったんだろう。たとえば、催眠術によって、すずには全部で24の人格が存在することが明らかとなり、人格の再統合に向けて目下治療中である、とか?


このページのトップにもどる